【レビュー】EVEシリーズ『EVE burst error R』の感想・評価と考察《ネタバレ有》

今回は2016年4月28日に発売された『EVE burst error R(イヴバーストエラーアール)』の感想や評価、そして考察をネタバレ有でご紹介したいと思います。

EVEシリーズの原点となる『EVE burst error』のリメイク最新作です。多くのリメイクをプレイしてきた私視点でのレビューになります。

こんな人に読んでもらいたい!

  • 『EVE burst error』が好きな人
  • アドベンチャーゲームが好きな人
  • EVEシリーズをプレイしたことのある人

この記事を読んで戴ければ、間違いなくすぐにでもプレイしたくなるに違いありません。ええ、間違いないでしょう。

『EVE burst error(イヴバーストエラー)』の詳細情報はこちら。

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『EVE burst error(イヴバーストエラーアール)』の概要・あらすじ

私立探偵・天城小次郎と国家エージェント・法条まりなの2人の主人公を交互に操作し物語を進行させる「マルチサイトシステム」が特徴の推理サスペンス調のアドベンチャーゲーム。

【小次郎編】
時は12月3日。さびれた倉庫街に事務所を構える私立探偵・天城小次郎は、紛失した絵画の捜索を依頼される。灰色の脳細胞を駆使し、見事探しあてるが、やがてこの絵画をめぐり重大な事件が起こるのであった。

【まりな編】
時は12月2日。内閣調査室の捜査官・法条まりなは、事実上の左遷先だったアメリカ合衆国から呼び戻されエルディア駐日大使の娘である御堂真弥子の護衛を命じられる。ふたりは行動を共にするうちに友情を深めてゆくが、彼女たちの裏ではある陰謀の準備が着々と進められていた。

引用 Wikipedia

【感想】プレイした率直な感想《ネタバレ有》

ここからは『EVE burst error R(イヴバーストエラーアール)』の率直な感想をご紹介したいと思います。

完全攻略ガイドはこちら!

【非公式】『EVE burst error R』完全攻略ガイド
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これこそ不朽の名作!抜群のシナリオ!

多くのリメイク版を何度となくプレイしてきても思うことですが。

やはり『EVE burst error』は不朽の名作です! 何度プレイしても同じ感想が抱けるほどに抜群のシナリオですよ!

今作『EVE burst error R』はほぼ原作忠実のリメイク版でしたので、既に内容は知っているシナリオでしたが、それでも引き込まれてしまいましたね笑

本当に完成度が高いシナリオなんですよ。

プレイヤーは2人の視点で事件を追っているにも関わらず、中々にその犯人へとたどり着けない展開。そして最後に判明する事実によって、全てが繋がっていく。。。もうたまりません笑

「そりゃ20年以上経った今でもリメイクされるわ」と納得できるだけの力をもった作品だと言えるでしょう。

クリアまでのプレイ時間もたっぷり!

『EVE burst error』を原点としたシリーズ作品―――『EVEシリーズ』は、これまで数多く販売されているのですが。

その中でもやはりこの原点『EVE burst error』が最も内容が濃い・プレイ時間が長い作品だと思います。

そもそも『EVEシリーズ』というのは5~7日程度のゲーム内時間をプレイするのですが、この『EVE burst error』は、他の作品と比べて1日1日の内容が濃いんですよね。

大抵は1日の中でメインとなる出来事が1つか2つ程度で、後は本当に補足だけみたいな構成なのですが、この『EVE burst error』は本当に濃いですね。

例えば小次郎の4日目(9x/12/06)の場合。

  • 小次郎はジャーナリストを名乗ってエルディア大使館でロス=御堂をインタビューし、盗聴器を仕掛けて盗聴
  • その後、恭子の協力を得て公安のDBMSへとハッキング
  • さらにエール外国人学校へと侵入し、目録を盗み見。そこで偽者孔を発見して追いかけ、エルディア大使館へと不法侵入
  • さらにさらに事務所へ戻ってプリンと合流し、雇い主の元へ。銃撃戦に巻き込まれて特攻
  • 拘束されて海へと捨てられるも助けられて―――

―――みたいなカンジですからね。

その1つ1つが大きな出来事なのに、それらが全て1日の間で起きているわけですから、どれだけ濃いんだよ!ってことがお分かりいただけることでしょう。

そんな濃い内容なので、必然的にクリアに必要なプレイ時間も長くなっているってわけですね。

じっくりプレイすると普通に何日もかかりますから、マジでたっぷりEVEを楽しみたい人はやはりこの『EVE burst error』ですよ!

これこそマルチサイトシステム!

このレビュー記事を書いている私は、もちろんこれまでに販売された他の『EVEシリーズ』もプレイしているのですが。

やはりマルチサイトシステムの使い方が一番面白いのは、この『EVE burst error』だなぁと再認識させられましたね。

それぞれの視点で集約する1つの事件を追っていく「マルチサイトシステム」なのですが、その1番の見どころは、やはり小次郎・まりなが対峙するシーンだと思うんですよ。

まず、この『EVE burst error』で小次郎とまりなは初めて出会い、そして知り合うことになります。

ですが最初は互いに警戒する「敵」同士のような関係性だったので、対面して相手の思惑を図ったり、あるいはけん制し合ったりするんですよね。

そこが面白いんですよ! 互いに知らないところで協力し合ったり、互いに情報を共有した後でも互いに警戒し合ったりと、絶妙で抜群な関係性がこの『EVE burst error』にはあるんです。

ですがこれ以降の『EVEシリーズ』は時系列的に「後」になるので、小次郎とまりなは「仲間」なんですよね。。。。だからこの関係性は『EVE burst error』限定なんですよ。

制作陣もその面白さをわかっているからか、最近販売された『EVEシリーズ』では小次郎とまりなが「敵対」する関係性が表現されたりもしましたが……やはり『EVE burst error』には勝てなかったですね。

でもまぁ……小次郎とまりなが「仲間」の関係性、それはそれで大好きなんですよね笑  

個人的には今後発売されるかもしれない『EVEシリーズ』作品でも、小次郎とまりなは「仲間」の関係性でいて欲しいと思っています。

なので制作陣の皆様! 小次郎とまりなが「仲間」の関係性のままで『EVE burst error』より面白いマルチサイトシステムの使い方、期待してます!! なんて笑

【評価・考察】過去のリメイク版と比較した上での評価と考察《ネタバレ有》

ここでは『EVE burst error R(イヴバーストエラーアール)』の、過去のリメイク版と比較した上で評価や考察を書かせていただこうと思います。

オリジナルEVEに近いキャラクターデザイン&原画

EVEシリーズの原点となる『EVE burst error』はこれまでに何度もリメイクされているのですが、中にはかなりキャラクターデザインや原画が違うモノがあります。

ですが今回の『EVE burst error R』は、一番最初に発売されたソフト(オリジナルEVEと呼ばれている)にかなり近かったですね。

まぁこの『EVE burst error R』は「オリジナルEVE」やセガサターン版、Windows版に参加していた「田島 直」先生がキャラクターデザイン&原画を担当されているので当然ではあるのですけどね。

もちろん色彩などについては当時より表現できる色の数が違いますのでかなり鮮やかにはなっていますが、デザインの面ではほぼ同じで、個人的には嬉しかったです。

ですが……なぜパッケージのデザインが違うのか。。。やっぱりそこだけはモノ申したい部分ではあります。

絵のタッチが違い過ぎるでしょ。。。小次郎も目が見えちゃってるし。どうなんですか?コレ。個人的にはサターン版のパッケージが好きだったんですけどね。

それ以外にも修正・変更された画像もありますので、その辺りを注意してプレイされると面白いかもしれませんね。

「動き」は減ってしまったリメイク版

引用:©ゲームビレッジ(ネットビレッジ株式会社) 現・株式会社fonfun

『EVE burst error』のリメイク版には『EVE burst error PLUS』というPS2版リメイク作品がありました。

こちらはキャラクターデザイン&原画はかなり違ったものの、今まで静止画メインだったところに「C-motion」と名付けられた「感情の変化をほぼ完全に視覚化する演出」がなされました。

要はテキストに合わせて表情を変化させたり、体でリアクションを取ったりする「動き」が加わったのです。最初のプレイした時は感動したものです。

しかしこの『EVE burst error R』では、そんな「動き」がだいぶ減ってしまいましたね。

まぁ目線の移ろいや口パク程度はありますし、「AEアニメーション」と名付けられた映像効果が追加されていますからそれなりには「動き」ます。

けど「C-motion」を知っている私からするとちょっと不満です。

本当に立ち絵が良く動いてましたからね。。。「C-motion」は素晴らしかった。二階堂とか凄い顔でこっちを指さしたりしてましたから笑

もし今後リメイクが作られるのであれば、キャラクターデザイン&原画はそのままに「C-motion」が追加されたモノを希望したいところです。

復活・進化した犯人当て

上記でも紹介したリメイク版『EVE burst error PLUS』以降のリメイク版では、ラスト手前の「犯人当て」がなくなり、エンディングが1つになりました。

ですが今作『EVE burst error R』では、この「犯人当て」が復活しただけでなく、さらに進化しています。

「犯人当て」 自体は「5人のキャラクターを殺害した犯人が誰なのか、1人ずつ推理して当てる」というシステムに変わりはないです。

ですがその際にその殺人事件が起きる前後のシーンを振り返ることが出来るようになったのです。

つまり推理するための情報を用意してくれているわけですね。

とはいえ、ぶっちゃけ1度プレイした部分の再プレイみたいなカンジなので、見直したからといって当てられる程の難易度ではないですが笑

まぁこの「犯人当て」が復活したので「間違えた版エンディング」も復活しましたから、そちらを一度見てしまえば犯人は誰なのかわかるようになっています。この辺りも変わってませんね。

キャラクターボイスは『EVE burst error PLUS』

『EVE burst error』では、そのリメイク作品ごとにキャラクターボイスが変更になっていたりします。

今回の『EVE burst error R』のキャラクターボイスは、過去のリメイク版『EVE burst error PLUS』の時と同じキャスティングでした。

恐らくですが今回のリメイク版『EVE burst error R』を制作するにあたり、音声の再収録は行われておらず『EVE burst error PLUS』の時のボイスをそのまま流用したのでしょう。

再集録が行われていない根拠ですが、桂木弥生・甲野本部長のボイスですね。

桂木弥生のCV担当・本多知恵子さんと、甲野本部長のCV担当・野沢那智さんが『EVE burst error R』が販売された2016年4月28日までの間にお亡くなりになっているからです。

なぜ再収録しなかったんでしょうかね。。。お2人の声を残したかったんでしょうか。

この『EVE burst error R』は「Eldia」が販売しているのですが、その目的の1つに「今後『EVEシリーズ』を制作・販売したい」という思いはあったことでしょう。

『EVEシリーズ』を制作するにあたり、プレイヤーたちが原点となる『EVE burst error』を知らないとどうにもなりませんからね。。。そのためのリメイク販売という側面もあったと思います。

実際に制作・販売されたEVEシリーズ『EVE rebirth terror』では、当然別の声優さんでした。

ならば『EVE burst error R』販売時点でレギュラーキャラクターである桂木弥生と甲野本部長のボイスだけでも再収録するべきだったのではないでしょうか。

その方がシリーズ作品としては正しい在り方だと思うのですが……どうなんでしょうかね?

エンディング中の「ある映像」も収録されてた

この部分に関しては、この後に発売されたEVEシリーズ『EVE rebirth terror』をプレイした後に気付いた部分ではあります。

エンディング中に流れる「ある映像」がカットされず、忠実に収録されていました。

その「ある映像」とは「トリスタン号から引き揚げられた御堂真弥子の肉体が、エルディアの施設に安置されているところを、3人が見下ろしているシーン」です。

ココから考えられること―――「『EVE burst error R』が販売される時には、まだ『EVE rebirth terror』のシナリオは出来てなかった」ってことですね。

私はてっきり『EVE rebirth terror』ありきの『EVE burst error R』販売だから、同時進行で制作されているのだと思っていましたが、どうやら違うようですね。

その意味はEVEシリーズ『EVE rebirth terror』をプレイしてもらえばわかりますので、是非!

【まとめ】原点にしてシリーズ最高傑作!

あくまでリメイク版『EVE burst error R(イヴバーストエラーアール)』のレビュー記事という側面で書かせて頂きましたが、いかがでしょうか。

やはり「素晴らしい!」と言わざるを得ない内容でした。まさにアドベンチャーゲームの金字塔、不朽の名作と呼ぶにふさわしい作品ですね!

もっと多くの人にプレイして頂き、さらなる人気を得てドラクエやファイナルファンタジーにならぶ大人気シリーズ作品として販売され続けて欲しいと、私は本気で思っています。

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