今回は1998年3月12日に発売された『EVE The Lost One(イヴ ザ ロストワン)』の感想や評価、そして考察をネタバレ有でご紹介したいと思います。

この令和の時代に、改めて過去のEVEシリーズ作品をプレイしてみました!ってことで、今回はPS1版の『EVE The Lost One』になります!
こんな人に読んでもらいたい!
- 『EVE burst error』が好きな人
- アドベンチャーゲームが好きな人
- EVEシリーズをプレイしたことのある人
この記事を読んで戴ければ、間違いなくすぐにでもプレイしたくなるに違いありません。ええ、間違いないでしょう。
原点となる『EVE burst error(イヴバーストエラー)』についてはこちら。

EVEシリーズ『EVE The Lost One(イヴ ザ ロストワン)』の概要・あらすじ
引用:©イマジニア イマジニア株式会社
1作目『EVE burst error』の3年後が舞台。主に内調捜査官「桐野杏子」と謎の人物「SNAKE(スネーク)」の主人公を操作しストーリーを進めていくマルチサイトアドベンチャーゲームである。
【感想】プレイした率直な感想《ネタバレ有》
ここからは『EVE The Lost One(イヴ ザ ロストワン)』の率直な感想をご紹介したいと思います。
完全攻略ガイドはこちら!

懐かしい!いや……懐かしいか?くらいだった 笑
ええ、はっきり言いましょう。
ぶっちゃけこの『EVE The Lost One』自体、私はプレイするのは3回目?くらいでしたので、おおよその内容を覚えていましたが、詳細は全く覚えていませんでした。。。
他のEVEシリーズは、それなりに回数をこなしているのですが、『EVE The Lost One』だけは、当時どうしても受け入れられなかったんですよね。。。そういう人もいたはずです。
なのであまり懐かしさは感じず、新鮮な気持ちでプレイできたことはよかったです。
今プレイすることで新たに感じることのできる魅力があったりして、1つの作品として新たに向き合える機会をもらった感じでした 笑
無駄に時間がかかったプレイ時間
何気にシナリオじゃない部分に時間を費やされて、プレイ時間が伸びる感じでしたね。。。
まぁそれでも15時間程度かと思いますが、ではどこに意外と時間を食ったのか、という話。
まずEVEシリーズ特有のサイトチェンジがあるのですが、『EVE The Lost One』は一度セーブしてから、そのセーブのどちらサイドでプレイするかを選ぶ手順でサイトチェンジが行われるんです。
さらにどうでもいいアニメーションをスキップできない仕様……意外とそういうシステム的な部分で時間を消費させられたプレイ時間でした。
ゲスト起用の声優が豪華だった!
何気に『EVE The Lost One』の一番の目玉かもしれません 笑
本作品にしか登場しないキャラクターのボイスを担当する声優さんが、豪華だったんですよ!
これは当時の私はあまり声優に詳しくなかったこともあって、気付かなかったのですが、今にしても追えば「ええ!?」って思うキャスティングでした。
1人はレジェンド声優・池田秀一さんです。
池田秀一さんと言えば『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルを筆頭に、最近では『名探偵コナン』の赤井秀一でも有名な、まさにレジェンドな声優さんです。
もう1人は宮村優子さんですね。
宮村優子さんと言えば、やはり『エヴァンゲリオン』のアスカですよね。最近では『名探偵コナン』の遠山和葉も有名ですが、やはり「みやむーといえばアスカ!」という人は多いはず。
ちなみに『EVE The Lost One』では、宮村優子さんの声で「アンタばか!?」を聞くことが出来ますよ! 要必聴です!
【評価・考察】改めてプレイした上での評価と考察《ネタバレ有》
ここでは『EVE The Lost One(イヴ ザ ロストワン)』を改めてプレイした上での評価や考察を、ネタバレ有で書かせていただこうと思います。
やはり主役は小次郎とまりながいい!
もうこれに尽きますね。。。他には言うことないかもしれません 笑
やはりEVEシリーズは、天城小次郎・法条まりな以外の主人公では魅力を感じないですよ。きっとあなたもそう思うはずです。
そもそも今作のキャラクターは、魅力が足りないと言わざるを得ません。
桐野杏子について
まず桐野杏子ですが……バカすぎます。
っていうか内閣情報調査室のエージェントなんですよね? どこが?って何度もプレイしている間に思うことでしょう。
基本的には推理などはせず、っていうか出来ず、行き当たりばったりで行動し、ただただ巻き込まれるだけの主人公……推理モノの主人公としては魅力なさすぎです。
SNAKEについて
そしてもう1人の主人公・SNAKEですが……感情移入しにくいです。
内面的な弱さがありながらも、行動が非情かつ大胆だったりするので、すさまじき不安定が目立つ上、正体を隠す必要があるため、シナリオがところどころ跳びます。
なのでキャラクター性に魅力を感じにくいだけでなく、共感も同情の感じにくいキャラクターなんですよね。正体が序盤からバレバレなことも、それを感じさせる要因になっています。
EVEシリーズの原点たる『EVE burst error』の魅力の何割かは「小次郎・まりなのキャラクター性」にありますので、比較対象が強すぎるのもありますが、それにしたって……と思うのです。
序盤は作品コンセプトとマルチサイトシステムの相性が悪い
本作品『EVE The Lost One』のコンセプトは「追う者と追われる者」
最初こそ捜査官である杏子が「追う者」となり、爆弾犯・SNAKEは「追われる者」となるんですが、中盤に立場が変わり、杏子が「追われる者」となり、SNAKEがそれを「追う者」となる展開です。
このコンセプト自体は面白いと思うのですが、これとマルチサイトシステムの相性が悪かったんですよね。
2人の主人公が、同じ時間に、同じ事件の対して、どう関わっていくのかを楽しむのがマルチサイトシステムの醍醐味なんです。
ですが序盤は「追われる者」―――つまりSNAKEの正体がわからない状態で始まりますから、どうしたって杏子とSNAKEが直接会っているシーンが、SNAKE側ではカットされ、シナリオが跳ぶんです。
なのでどうしてもSNAKEの1日が分断されてしまって、分かり辛くなるんですよね。。。まぁ後半はそれが大分薄くはなりますが、それでも……と思うことでしょう。
プレイヤーがシナリオ介入できるアイディアは良かったけど……
『EVE The Lost One』では、初の試みとして、ゲームをプレイするプレイヤーが、シナリオに介入することが出来るアイディアが起用されました。
シナリオ終盤、SNAKEサイドにて、SNAKEが「もうアンタには従わない」といって、プレイヤーである貴方の指示から離れます。
なので貴方は、貴方自身となってゲームの中へと入りこみ、杏子やSNAKE、その他のキャラクターたちと出会うことが出来て、そしてそうやってゲーム内をうろついたことで、シナリオが変更された―――という演出です。
これ自体は「すごく面白い試みだなぁ」と思うのですが、正直言えば……それを理解するのは難しいかもしれません。
プレイ途中はそうかな?って思うことはできるかもね、ってカンジで、実際に確信を持つためには特典ディスクを見る必要があったからです。
ネタバレにはなりますが、どういうことかというと、プレイヤーである貴方がうろついてことで、モニカというキャラクターが警戒して一度街に戻るという展開です。
その展開は別にシナリオにおいて必須でもない展開なので、正直無意味に等しい演出で、本当に試してみた!ってだけなのかな?と思います。
アイディアとしては面白いですが、シナリオに組み込むのは難しいだろうなと感じさせられました。
御堂真弥子の扱いが、とにかく酷い
本作品『EVE The Lost One』において、もっとも言っておきたいことはこれですね。
御堂真弥子の扱いが、とにかく酷すぎます。
原点たる『EVE burst error』に登場した御堂真弥子。彼女は『EVE burst error』のラストシーンで沈みゆく船と共に、海の底へと沈んでいきました。
その3年後である『EVE The Lost One』では、御堂真弥子は海の底から回収され、『EVE』と呼ばれて、エルディア王宮の安置室に安置されています。
まぁそこまではいいでしょう。『EVE burst error』のラストは、目覚めた御堂真弥子と共に、小次郎とまりなとプリシアが仲良く映っているカットで終わりますから、それを実現させる展開としてはアリです。
ですが――ーさすがに無理やり目覚めさせて、5~6時間しか生きられず、さらにはプリシアの代わりに殺される展開って、いくらなんでも酷すぎませんかねぇ 泣
『EVE burst error』でもかなり悲劇のヒロインだったのに、そんな彼女に対して次回作で与える仕打ちがこれかよ!って思うのですよ。
近年に販売されたEVEシリーズ作品での、新たな時間軸では幸せな展開に恵まれており、個人的には圧倒的にそちらの方が好みです。
もしあなたが今これからプレイされるなら、その胸糞悪くなる展開だけは覚悟が必要ですよ。
酷評が多かった理由の考察
比較的酷評の多い本作品『EVE The Lost One』ですが、個人的には「シナリオ単体」は、それほど低いとは思っていません。
酷評が多くなってしまった理由は、2つあると考えています。
初のシリーズ作品だったこと
1つ目は、本シナリオが「初のEVEシリーズ」として発表されたこと。
これは名作『EVE burst error』の続編として販売されることになり、その期待度がとにかく高かったことによる落差と、その『EVE burst error』と比較すると……ってことですね。
やはりそれだけ『EVE burst error』のシナリオの完成度が高かったってことですね。
私も「あの『EVE burst error』の続編なら間違いないでしょ!」ってプレイしたときの落胆は凄まじかったですし、やっぱ比較してした結果、周回プレイしなかったわけですからね。
ゲーム向きではなかった可能性
2つ目は、シナリオがゲーム向きじゃなったのでは?ってことですね。
これは推測ですが、一応アドベンチャーゲーム用として作られたシナリオでしたが、そのシナリオをゲームにすることでシナリオが劣化したのではないかと。
SNAKE側はそれが顕著に表れており、シナリオが跳んでしまうこともそうですし、変に幽霊を見たり、あるいはモニカの過去を垣間見たりといった超常現象要素があって「なんなの?」と感じさせるんです。
だからこそライターさんの完全ノベライズが販売されたりしてるんじゃないでしょうか。きっとライターの表現したかったものが、ゲームにすることで歪んでしまった部分があったのではないかと。
なのでEVEシリーズとしてではなく、普通の書籍作品として販売される、あるいはマルチサイトシステムじゃないアドベンチャーゲームとして販売されれば、こんな評価は受けなかったかもしれませんね。
【まとめ】賛否別れる初シリーズ作品
いかがでしょうか。EVEシリーズのPS初作品だったこともあり、この作品からプレイした人も多いことから、酷評はあれど賛否も多い作品だった印象です。
とはいえ、近年発売されたEVEシリーズとは別の時系列になる作品なので、真のEVEファン以外の人は、今更プレイする人は少ないことでしょう。
時系列についてはこちら。

ですが新たな時系列作品をプレイしてどっぷりとハマった人なら、是非プレイはしてほしい作品です。もちろん責任は持ちませんけどね 笑
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